【男性が育休をとって何する?】お父さんの育休中の過ごし方を徹底解説

育児休業

 男性が育児休業(育休)を取得することは以前からも可能でしたが、2022年4月に「育児・介護休業法」が改正されたことにより、男性の育休がより取得しやすくなりました

 パートナーの妊娠をきっかけに育休を取得してみたいと思っているプレパパさんはたくさんいると思います。しかし、「育休を取得して何をするんだろう?」という疑問を少なからず抱えているはずです。

 私は、長男・長女の出生後にそれぞれ11ヶ月弱の育休を取得し、充実した育休期間を過ごすことができました。そこでこの記事では「育休中に行ったこと」「育休を取得して感じたこと」を解説します。

 皆さんが育休を取得するきっかけになればと思います。

育休とは


 
 
 
 



 育休とは、原則1歳未満のこどもを養育するための休業で、「育児・介護休業法」という法律に定められています。法律が定める制度なので、勤務先の就業規則の内容に関わらず取得ができます

 

 子どもが1歳6ヵ月になる日までに、雇用契約が満了することが明らかでない従業員であれば、女性・男性を問わずどなたでも取得が可能です。

厚生労働省 育児休業制度 特設サイト

育休の取得率はどれくらい?

 2023年度の育児休業取得率は、

   女性👩⋯84.1%(前年比+3.9ポイント)
   男性👨…30.1%(前年比+13.0ポイント)

 男性の取得率は、女性と比べて低いものの、育休を取得する人は大幅に上昇しています。

 育児休業の取得期間を見ると、

   女性👩⋯92.6%の方が6ヶ月以上の長期間
   男性👨⋯86.1%の方が3ヶ月未満の短期間

 女性は子どもが1歳になるまで取る人が多いですが、男性は1ヶ月以下の取得期間の方が多いです。

<厚生労働省「雇用均等基本調査」/令和5年度>

育休中何をする?

 もちろん育児をすることです!新たに誕生した赤ちゃんにかかわることだけでざっと以下のようなことがあげられます。

  • オムツ替え
  • ミルク、離乳食の準備
  • お風呂にいれる(沐浴)
  • 寝かしつけ
  • 夜泣き対応
  • 朝の着替え
  • 健康管理
  • 赤ちゃんと遊ぶ
  • 出産内祝いを贈る
  • 出産後の各種手続き
  • 検診、予防接種に連れて行く
  • お祝いごとの準備をする
  • アルバムづくり
  • 乳幼児教室
  • 保育園さがし

 育児は24時間体制なので、生後数ヶ月の赤ちゃんの場合、赤ちゃんのお世話をしているだけで1日が終わっちゃうことも。

 次から、それぞれについて簡単に解説していきます。

オムツ替え

 新生児期(1ヶ月)は1日に10回以上のおむつ交換が必要なこともあります。成長にともないオムツを変える頻度は減ってきますが、生後6ヶ月でも1日に8回程度の交換は必要です。
 また、月齢の低い赤ちゃんのうんちは柔らかいので、オムツから漏れてしまうことも多いです。その場合は、着替えと汚れてしまった洋服の洗濯が必要になります。
 皮膚の弱い赤ちゃんの場合は、オムツかぶれのような症状が出てしまい、おむつ交換の度にスキンケアを必要とすることもあります。

ミルク、離乳食の準備

 粉ミルクの場合、新生児期(1ヶ月)は3時間ごと(夜中も)、生後6ヶ月でも4〜5時間ごとにはミルクを与える必要があります。

 ミルクを与える際には、
  ①お湯を沸かす
  ②粉ミルクを溶かす
  ③温度調節
  ④赤ちゃんに飲ませる
  ⑤ゲップをさせてる
  ⑥哺乳瓶の洗浄・消毒
 という流れです。

 また、生後5〜6ヶ月ごろからは離乳食も開始することになります。離乳食初期は食材をすり潰したり裏ごしする必要があるためその準備も必要です。

 生後5〜6ヶ月の離乳食初期は、離乳食だけでは栄養が取れないから離乳食づくりとミルクの準備で特に大変だよ。

 手づかみで食べ始めると、ご飯を投げちゃったりで、洋服や机・床がベタベタ…なんてことも。そうするとお着替えや掃除が必要だね。

お風呂にいれる(沐浴)

 新生児期(1ヶ月)はベビーバスでの沐浴をしますが、1ヶ月を過ぎたころからは赤ちゃんと一緒にお風呂に入れるようになります。

 赤ちゃんと一緒に入るようになると
  ①赤ちゃんの着替えを準備する
  ②大人の体を洗う
  ③湯船で赤ちゃんと一緒に温まる
  ④赤ちゃんの体を洗う
  ⑤大人と赤ちゃんの体を拭く
  ⑥赤ちゃんのスキンケアをする
  ⑦服を着る
 という流れです。

 お風呂はパパとママが連携して入れられるのであれば、楽しい時間!

 だけど、1人で入れる場合は、自分の体を洗う時間や自分の着替えをする時間がなく大変だよ。

寝かしつけ

 赤ちゃんは自然に寝てくれるというわけではなく、抱っこをしながら寝てくれるまでに2時間かかるということもあります。

 寝たかな?と思ってベッドに下ろしたら、泣き出すなんてことはよくあるよ。そしたらまたやり直しだね…

夜泣き対応

 生後6ヶ月〜18ヶ月ごろの赤ちゃんは夜中に理由もなく突然泣き出し、なかなか泣き止まないことがあります。

 夜泣きがひどい場合だと、大人の睡眠時間が取れなくて、体力的にも大変だね。

朝の着替え

 赤ちゃんは寝ている間にたくさん汗をかいているので、温かいガーゼで拭いてあげた後、スキンケアを行い、着替えさせます。

健康管理

 体温測定や体重測定を行い、記録します。

 赤ちゃんの平熱を知ることは、体調管理するうえで大切だね。また、母乳育児をしている場合は、授乳前後で体重を測ってどれくらいミルクを飲めたかの計測もするよ。

赤ちゃんと遊ぶ

 体を使った遊びやおもちゃを使った遊び、絵本の読み聞かせや散歩に出かけるなどします。
 自宅だけではなく、地域の子育て支援センターに出かければ、親子で遊んだり、子ども同士を遊ばせたりするこもできます。

 赤ちゃんと遊ぶのは楽しいけど、ずっとお家だけだと大人は辛くなってきちゃうかも。近所での遊び場を見つけられると、親のリフレッシュにもなるかもね。

 また、赤ちゃんはおもちゃを口に入れてしまうので、清潔に保つようにおもちゃのアルコール消毒や洗濯が定期的に必要だよ。

出産内祝いを贈る

 生後1ヶ月頃を目安に出産祝いを贈ってくれた方へのお返しを贈ります。

出産後の各種手続き

 赤ちゃんの誕生後は、役場や勤務先での多くの手続きが必要です。

出生届の提出

 赤ちゃんが生まれた日を含めて14日以内に、市区町村役場に提出します。

児童手当の申請

 子どもが18歳になる年度までは、児童手当を支給することができます。公務員以外は市区町村役場に申請します。公務員は勤務先に申請します。

乳幼児医療費助成の申請

 子どもの医療費を自治体が支援する制度であり、自治体によっても異なりますが、15歳になるまでの年度や18歳になるまでの年度までは医療費が無料になります。市町村役場に申請をします。

健康保険への加入手続き

 会社員・公務員であれば勤務先へ、個人事業主・フリーランスであれば市町村役場で加入手続きをします。

出産育児一時金の申請

 ママを社会保険の扶養に入れている場合は、出産育児一時金の申請をします。ママ自身が社会保険に加入してる場合は、ママが申請をします。

銀行口座の開設(任意)

 将来の子ども用の貯蓄として銀行口座を開設しておくと便利です。

マイナンバーカードの作成(任意)

 身分証明書としてマイナンバーカードを作成しておくと便利です。

検診、予防接種に連れて行く

 1ヶ月検診、3〜4ヶ月健診、6〜7ヶ月健診、9〜10ヶ月健診がほとんどの自治体で行われています。また、生後2ヶ月ごろからは予防接種が始まります。

お祝いごとの準備をする

 赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでは多くの祝い事があります。

 お祝いごとの場面はしっかりと思い出に残したいね。

 これに加えて、毎月の誕生した日に写真を撮ると、日々の成長が実感できてオススメだよ。

お七夜

 生後7日目の夜に、赤ちゃんが無事に生まれたことを祝う行事です。伝統的な祝い方では①命名式②祝い膳という流れですが、近年では、ママと赤ちゃんの体調を見ながら、手形・足形をとって記念撮影という形で簡単にする家庭も多いです。

お宮参り

 生後1ヶ月頃、地域の氏神様に赤ちゃんが無事に誕生したこと報告・感謝し、今後の成長を祈願するために行います。赤ちゃんの正装は「白羽二重(しろはぶたえ)」という着物の上に「祝着(のしめ)」を羽織るスタイルですが、ベビードレスや袴ロンパースといったアイテムもあります。

 生後1ヶ月での行事だから、衣装の準備をするなら早めの準備が必要だね。

 おじいちゃんやおばあちゃんも参加するなら日程調整も必要かも。

お食い初め

 生後100日頃、「赤ちゃんが一生食べ物に困らないように」「健やかに成長するように」という願いが込めて行う行事です。祝い膳を準備して、赤ちゃんに「食べるまね」をさせます。
 自宅で開催する場合もありますが、日本料理店であれば「お食い初めプラン」を用意しているお店もあります。

初節句

 生後初めて迎える節句のことで、健やかな成長を願い、厄除けを行う行事です。
 女の子の場合は3月3日の「桃の節句」にあわせ「雛人形」や「桃の花」を飾り、「菱餅」や「ちらし寿司」を食べてお祝いをします。
 男の子の場合は5月5日の「端午の節句」にあわせ「五月人形」や「鯉のぼり」を飾り、「柏餅」や「ちまき」を食べてお祝いをします。

ハーフバースデー

 生後6ヶ月を迎えた赤ちゃんの成長を祝う行事で、近年になって広く行われるようになりました。離乳食でアレンジしたケーキや、1/2をモチーフにした写真撮影を行います。

 キューピーハーフをモチーフにした衣装や、手形・足形でアートを作るのもオススメだよ。

初誕生日

 初めて迎える誕生日で、赤ちゃんが健康に成長したことを喜び、これからの健康を願う行事です。一升のもち米でつくったお餅を赤ちゃんに背負わせ、これからの成長を願うことや、いくつかのアイテムを赤ちゃんの前に用意して、赤ちゃんが手にしたアイテムを基に将来を占う「選び取り」を行います。

アルバムづくり

 職場復帰をすると日々の生活に追われ、なかなか写真を整理する時間が取れないので、育休中に写真の整理をすることがオススメです。

 育休中は特にたくさん写真や動画を撮ると思うので、後から見返しやすいように整理できるといいね。

 紙アルバムを作ると、子どもと一緒に見返すこともできてオススメだよ。

乳幼児教室

 0歳から習い事?と思うかもしれませんが、生後数ヶ月から通うことのできるスクールもあります。

 外出して赤ちゃんと触れ合うことはパパ・ママにとっても気分転換になり、リフレッシュにもつながるよ。

ベビースイミング

 パパ・ママと一緒にプールに入り、簡単な運動やリズム遊びを行います。生後6ヶ月頃から始められるスクールが多いです。

ベビーマッサージ

 ベビーオイルを使いパパ・ママが赤ちゃんの全身をマッサージしてあげます。生後1ヶ月頃から始めることが可能です。

ベビーリトミック

 パパ・ママと赤ちゃんがリズムに合わせて体を動かしで遊びます。生後6ヶ月頃から始めることが可能です。

ベビー英会話

 生後6ヶ月〜8ヶ月は音を聞き分ける力が高い時期とされており、この時期に英語に触れることは効果的だと言われています。

保育園、幼稚園さがし

 夫婦ともに復職する予定の場合は、復職後の赤ちゃんの預け先を探す必要があります。保育園の入園申し込みは10月頃の自治体が多いので、気になる保育園の見学を行います。

 保育園が良いか、幼稚園が良いかから始まり、それぞれの園でも特色が違うので申し込み前には見学に行って直接先生に疑問点を聞けると良いね。

 復帰後の働き方についても決めておかないと。

育児以外にできること

 基本的には24時間育児・家事に追われますが、赤ちゃんが寝ているタイミングやパートナーが見ていてくれるタイミングを使って自分のための時間や家族のための時間を持つことができると、より充実した育休期間になるでしょう。

 ワンオペ育児だと自分の時間を持つことは難しいかもしれないけど、夫婦で協力して、自分のスキルアップや趣味、今後の生活を見つめ直す時間も作れると良いね。とは言っても、育児が最優先なので、そのあたりは注意が必要だよ。

  • 旅行
  • 自己研鑽
  • 転職活動、副業
  • 生活環境の見直し
  • 家計、保険の見直し

旅行

 普段であれば、「平日に2泊3日で家族旅行!」なんていうことはなかなか難しいですよね。育休中であれば、空いている期間での旅行や、平日にテーマパークに出かけることも可能です。
 3歳までであれば、子どもの分の航空券代や宿泊代はかからないことが多いので、大人分の旅費で出かけることも可能です。

自己研鑽

 夫婦揃っての育休取得であれば、お互いにひとり時間を作ることも可能なので、スキルアップのための資格取得も可能です。 

転職活動、副業

 育休の取得を機に、復職後も家族との時間を多く持ちたいと思う方もいると思います。通勤が長い方や長時間残業が常態化している方は、転職を考えるきっかけになるかもしれません。
 また、育休中の隙間時間を活用した副業を始めることも可能です。

生活環境の見直し

 赤ちゃんの誕生を期にマイホームを検討することも多いかと思います。マイホームは人生で一番高い買い物とも言われているので、失敗の無いようにじっくりと選びたいですよね。育休中であれば、時間に余裕をもって様々な物件を内見に行ったり、ハウスメーカーを吟味する時間や間取りについて考える時間を持つことができます。

家計、保険の見直し

 子どもを1人育てるには3,000万円程度必要と言われています。今後の生活のためにもライフシュミレーションの作成や日々の支出の見直し、必要な保険の検討ができると今後安心して子育てをしていけます。

まとめ・育休を取得して感じたこと

 以上、育休中にやること・できることについて解説してきました。
 新たに誕生した赤ちゃんに関することだけでも、これだけのことがありますが、

  • 大人の3食の食事
  • 洗濯
  • 掃除機がけ
  • トイレ掃除
  • お風呂掃除
  • 片付け
  • ごみ捨て

 などの普段の家事も行わなければなりません
 また、上の子がいる場合には、その子の遊び相手や赤ちゃん返りに手を焼くこともあります。

 出産後のママの身体はボロボロであり、メンタルも不安定な状態です。ママのサポートをを含め、パパにも「母乳による授乳以外何でもできる」の精神で子育てに一緒に取り組んでいくことができると良いかと思います。

 冒頭で、男性の育休期間が短期間であると伝えました。短期間である背景には、職場環境による問題、金銭面による問題などがあると思いますが、せっかくの機会なので、取得できる最大限(できれば1年)を取得するのがいいのではないかと思います。

 私自身は、トータルで2年弱の育休を取得していますが、育休を取得して一番良かったことは「子どもの成長をそばで感じられた」ことです。特に乳幼児期は日々赤ちゃんの成長を実感できます。
 子どもが子どもでいてくれる時間はそう長いものではありません。また、育休を取得できる機会も何度も回ってくるわけではありません。

 この記事が育休を取得しようと思っている皆さんの「育休中って何をするんだろう?」という疑問の参考になれば幸いです。

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