【いつが最適?】男性が育休を取得する際のオススメ期間について

育児休業

 多くの場合、女性は産前・産後の産休期間終了に伴いそのまま育休期間に入ります。しかし、男性の場合は、赤ちゃんの誕生後、育休を①いつから取るのか?②いつまで取るのか?という悩みが出てくるのではないでしょうか。

 私は、長男の誕生時には、①生後0ヶ月〜1ヶ月の1ヶ月間と②生後4ヶ月〜1歳2ヶ月の9ヶ月半の2回に分けて約11ヶ月育休を取得し、現在は長女の育休として生後2ヶ月〜1歳2ヶ月の約11ヶ月半の育休を取得中です。

 この記事では、2人の赤ちゃんの育児で生後0ヶ月〜1歳2ヶ月の育休期間を経験した私が、赤ちゃんの月齢別に育休を取得して感じたことや育休の取り方のオススメについて解説します。

 この記事が皆さんの育休を取る際の参考になれば幸いです。

育休とは?いつまで取れるの?

 育休とは赤ちゃんの誕生から原則1歳(保育所に入所できない場合などは2歳)まで取得することができる休業のことです。出産した女性(母親)だけでなく、男性(父親)も取得可能です。妻が専業主婦や育休中の場合でも取得が可能です。

 夫婦そろっての育休取得が可能なんだね。

 さらに、父親と母親が共に育休を取得する場合は、子どもが1歳2ヶ月まで休業期間を延長できる「パパ・ママ育休プラス」という制度があります。(1人あたりの育休取得可能な最大日数は1年間)〈パパ・ママ育休プラスとは?制度概要や取得条件・期間について図解付きで解説(doda)〉

 上記は法律に定められた制度ですが、勤務先によっては最大3年間取得が可能なところなど、制度がより拡張されている会社もあるので、確認が必要です。

 また、父親には通常の育休とは別に、子の出生後8週間の間に、最大4週間の休業を2回に分けて取得できる「産後パパ育休」という制度もあるので、連続的には取りづらい方も取得しやすくなっています。〈産後パパ育休について(厚生労働省育児休業特設サイト)〉

 育休制度の改正で、1歳までに最大4回に分けて育休を取得できるようになったんだ。拡充されたことは良いことだね。

 ただ、長男の育休の時には2回に分けて育休を取得したけど、断然1回で続けて長期で取得したほうが良かったと思ってるよ。

男性の取得期間はどれくらい?

 男性の育休取得率は30.1%となっています。

 その取得期間を見ると、

育休を取得した期間割合小計
5日未満15.7%15.7%
5日〜2週間未満22.0%37.7%
2週間〜1ヶ月未満20.4%58.1%
1ヶ月〜3ヶ月未満28.0%86.1%
3ヶ月〜6ヶ月未満7.5%93.6%
6ヶ月〜8ヶ月未満2.9%96.5%
8ヶ月〜10ヶ月未満0.8%97.3%
10ヶ月〜12ヶ月未満1.1%98.4%
12ヶ月以上1.6%100%

 <厚生労働省「雇用均等基本調査」/令和5年度>

 育休を取得した方でも58.1%が1ヶ月未満にとどまっており、86.1%の方が3ヶ月未満の取得という結果になっています。 

 また、男性が育休を取得しても家事・育児に参加しない「とるだけ育休」という言葉も存在しており、数日間の育休では自分やパートナーにとっても満足感の低い育休となってしまうケースもあります。

 数日間の育休では、長期休暇と同じ感覚になってしまうのかもね。

なぜ男性の育休期間は短期間なのか

男性が育休を取りにくい理由

 男性の育休が取りにくかったり、取得できたとしても短期間になってしまう理由としては、次のような理由が考えられます。

  • 職場の雰囲気が育休を取得しづらい
  • 職場が人手不足、仕事が忙しい
  • 自分にしかできない仕事、担当している仕事がある
  • 収入を減らしたくない
  • 将来のキャリアに影響が出るかもしれない

 収入面については、育児休業給付金についての知識があれば安心できると思うよ。

〈育休手当(育児休業給付金)って?(太陽生命)〉

 職場の雰囲気や繁忙期などを理由に育休を諦めてしまうのはもったいないな。

実際は育休を取得したいのか

 しかし、若年層の男性の84.3%が育休を取得したいと思っており、そのうち29.3%が半年以上取得したいと回答をしています。〈若年層における育児休業等取得に対する意識調査(厚生労働省)〉

 実際に半年以上取得している人は育休を取得した人のうち3.5%だから大きなギャップがあるんだね。

育休を取得するには

実際に育休を取るにはどうしたらいいんだろう?

 直属の上司に対して、パートナーの妊娠の報告と、育休を取得したいという考えを伝えましょう。制度上は「産後パパ育休」の場合は休業の2週間前まで、「通常の育休」の場合は休業の1ヶ月前までに申出ることとされていますが、パートナーが安定期(妊娠5ヶ月以降)に入った後、速やかに①出産予定日②いつから育休を取得したいか③いつまで取得したいかを伝えることで、会社側は育休中の仕事の割り振りや人員の補充等に対応することができ、希望する期間の育休取得つながるでしょう。

 育休を取りたい意思を伝えるときには、どの程度の期間取得したいか決めておく必要があるから、夫婦での話し合いが必要だね。

 育休は労働者の権利であり、会社側は取得を拒むことや、期間を短縮させることはできません。しかし、「繁忙期だから」「代わりにできる人がいないから」などの理由で期間の見直しをお願いされることや自ら短期間の育休を希望するというケースもあるでしょう。

 もちろん、与えられた人員で仕事を進めるのが人事や上司の仕事ではありますが、育休中の仕事のフォローを行うのは、同じ部署の同僚になると思うので、復職後のことも意識しながら育休期間について検討する必要があるのかと思います。

 そのうえで、所詮会社の仕事は誰にでもできる。生まれてくる赤ちゃんに対するパパとしての役割は自分にしかできない。今は自分の仕事を周りにフォローしてもらう時期だけど、いずれは自分も周りをフォローする時期が回ってくるという考えで自分の希望を優先したいところです

 育休取得を取得できる機会は何回もあるわけではないので、後から「もっと長期間にしておけばよかった⋯」なんていう後悔だけはしないようにしたいね。

 それにこれからは更に男性が育休を取得する時代になると思うので、自分がこれからの後輩の育休取得のロードマップを作るという意味で積極的に取得しよう。

育休の取得パターンを紹介

 ここからは男性の育休取得について、考えられる育休の始期5パターンを紹介します。赤ちゃんの月齢による育休中の過ごし方については次章で解説します。

出生直後から取得(0ヶ月〜)

 1つ目は、赤ちゃんの誕生にあわせてパパも育休を取得するというパターンです。

 ママが里帰り出産をしておらず、退院後すぐに自宅に帰って来る場合は出産直後から取得することがオススメです。

 出産直後のママはできるだけ安静にする必要があるので、育児や家事をパパが担える体制を作っておけるといいね。

里帰り先から自宅に戻った後から取得(1ヶ月〜)

 2つ目はママが里帰り先(実家)から帰って来るタイミングでパパが育休を取得するというパターンです。

 ママが里帰り出産をする場合は、自宅に帰って来るタイミングに合わせて育休を取得することがオススメです。

 里帰り期間は1ヶ月程度の人が多いみたい。生後1ヶ月はまだまだ24時間体制の育児が続くからママと協力して育児や家事を行わないといけないね。

夫婦でともに取得

 3つ目は夫婦共に長期間の育休を取得するパターンです。

 赤ちゃんの成長をそばで感じられ、かけがえの無い時間を過ごせるね。

夫婦で分担して取得

 4つ目はママが早期に職場復帰する必要がある場合、パパに引き継いで1歳(パパ・ママ育休プラスを使えば1歳2月)まで育休を取得するというパターンです。

 認可保育園に入れる場合、0歳児は申込者が少なく、希望の園に入りやすいので、パパが1歳まで育休を取得するのか、保育園に預けるのかは検討が必要だね。

妻の復職に合わせて取得

 5つ目はママが赤ちゃんの1歳の誕生日で復帰する場合、ママの職場復帰をサポートするという目的で育休を取得するパターンです。

 認可保育園に入れる場合は、パパの育休終了後からになるので、ママの育休終了からパパの育休終了まではパパが1人で育児をすることになる点には注意が必要だよ。

産後パパ育休やパパ・ママ育休プラスを使うことも

 「産後パパ育休」や「パパ・ママ育休プラス」を活用して、パターン①と⑤の併用も可能です。

 希望の育休取得期間や復職後の働き方などはあらかじめ夫婦で話し合っておきましょう。

赤ちゃんの月齢別の育休について

 最後に赤ちゃんの月齢に応じた育休中の過ごし方やポイントについて解説します。

0ヶ月〜1ヶ月

 育休を取得する期間が限られている場合はこの時期に取得する方が一番多いのではないかと思います。

 母体の回復に6〜8週間程度かかると言われており、出産後は身体を休めることが大切です。退院後のママのサポートのため授乳以外の育児全般を行えるように是非とも育休を取得したい時期です。

 この時期の赤ちゃんはおっぱいやミルクを飲んで、寝てを1日中繰り返します。他の育児としては、沐浴、おむつ替えです。24時間体制の育児になりますので、パパママが睡眠不足に悩まされることもあるかもしれません。さらに、上の子がいる場合は上の子のお世話や日々の家事もありますので、ママの回復のためにも積極的に育児・家事に取り組めると良いです。

 また、新生児期の赤ちゃんは日々顔つきが変わったり、成長していくことを実感できます。新生児期はあっと言う間に過ぎていくので、赤ちゃんをいっぱい抱っこしてあげるなどスキンシップを楽しみましょう。

 育休の取得については、ママが里帰り出産をする場合は、自宅に帰って来るタイミングで、里帰り出産をしない場合は、出生後すぐや退院に合わせて取得できると良いでしょう。

 パパ以外のサポートがない場合はこの期間の育休取得は必須だね。

2ヶ月〜3ヶ月

まだ昼夜の区別ができていない時期なので、24時間体制の育児が続くことも多いです。

 沐浴が終わり、赤ちゃんと一緒にお風呂に入れるようになりますが、一緒に入るとなると入浴させる人と入浴後のケアをする人とで大人の手が2人分必要になります。

 遊びの面では、おもちゃをじっと見たり、あやすと笑うなどの反応をしてくれるようになったり、少しずつ声を出すようになって来ます。また、抱っこ紐やベビーカーを使って近所を散歩したり、身体を動かす遊びができるようになります。

 ワンオペお風呂はとにかく大変だね。この時期からは少しずつ「赤ちゃんと遊ぶ」こともできるようになるよ。

 身体の面では生後3ヶ月ごろには出生時と比べ、体重は約2倍に、身長も12センチ程度伸びると言われています。また、首がしっかりしてきたら、縦抱きやうつ伏せの練習をしたりと、赤ちゃんの成長を実感できます。

 育休の取得については、まだまだ大人の手が2人分あっても足りない時期です。また、多くの産後うつは生後3〜6ヶ月以内に発症するとも言われているので、ママのサポートの面でも積極的に取得したい時期です。

4ヶ月〜5ヶ月

 昼夜のリズムが取れて来るので、生活のリズムを整えるためにも起床、お風呂、就寝など規則正しい生活を送れると良いです。

 寝返りを始める赤ちゃんがもいますが、寝返りを始めると、大人1人でお風呂に入れる際は、大人の身体を洗っている間に待っていてもらう場所に気を使うことになり、大人1人でお風呂に入れることがより大変になります。

 興味のあるものに手を伸ばして、口に運ぼうとするため、赤ちゃんの近くに小さなものを置かないように注意する必要があります。

 この時期の育休については、赤ちゃんの生活リズムも安定してくるため、夫婦で取得している場合には、お散歩やおもちゃ遊びなど、赤ちゃんとじっくり遊ぶ時間を持つことも可能です。また、完全母乳で育てている場合も授乳の間隔が空いてくるので、パパ1人で赤ちゃんと過ごすことができ、ママに1人の時間を持ってリフレッシュしてもらうことも可能です。

6ヶ月〜7ヶ月

生後6ヶ月になると多くの赤ちゃんが離乳食を開始します。離乳食を開始するとレシピを考えたり、作ったり、食べさせたりする必要があるため、これまでの育児・家事に加え大変に感じることもあるでしょう。

 この時期の育休についても夫婦で取得している場合には比較的余裕を持って育児に取り組むことができるかと思います。

 また、少しの遠出ができるようになりますので、休日には行きづらいスポットへお出かけすることも可能です。

 もう少したつと、お出かけは子どもが楽しめるかが優先軸になってくるから、大人の行きたいところ行けるのは今のうちかも。

8ヶ月〜10ヶ月

 はいはい、つかまり立ちで赤ちゃんから目が離せなくなります。おうちの中だけではマンネリ化してしまうので、公園や児童館・子育て支援センターへ出かけると広いスペースで赤ちゃんを遊ばせることができます。

 離乳食が中期から後期へ進むと1日3回離乳食を与えることになります。1回の離乳食には30分程度かかります。せっかく用意した離乳食をなかなか食べてくれないと心理的にも負担がかかることも。また、手づかみ食べも始まるので、食べ終えた後のテーブルや床の掃除、手洗いや場合によっては着替えが必要になることもあります。

 離乳食が始まると、レシピを考えたり、準備をしたり、食べさせたり、片付けたりで一気にやることが増えてくるね。

 この時期の育休については、赤ちゃんの行動範囲が広がると1人で見るのは大変であることと、離乳食に対する負担も増えてくるため、パパ・ママが協力してお互いの負担を減らせると良いです。

 また、宿泊を伴う旅行もできるようになってくるため、平日の空いた時間に家族旅行に出かけるなんていうことも可能です。

11ヶ月〜

 生まれてから1年が経つと身長は約1.5倍、体重は約3倍にもなります。歩き始める、意味のある言葉を話し始める赤ちゃんもいるので、より成長を感じられます。

 赤ちゃんの誕生日前後で産休・育休から職場復帰するというママも多いと思います。ママの職場復帰後の生活のサポートするという意味でこの時期に育休を取得(パパ・ママ育休プラスを活用)することも候補に上がります。

 ただし、パパの育休期間は保育園に入園できない自治体が多い(保育園の入園はパパの育休後)ので、保育園入所の要件は確認しましょう。ママの育休終了後からパパの育休終了までの育児や慣らし保育の送り迎えなどは必然的にパパ1人で行うことになります。

育休期間の決め方・まとめ

 ここまで育休の取得パターンや取得時期について解説してきました。

 育休の期間については、仕事の都合ではなく、育休手当金や保育園入所のタイミング、パパ以外のサポートの有無など、家庭の事情に応じて夫婦で相談して決める必要があります。

 育休の取得は、せっかくのタイミングなので、復職する際に「もっと長期間の育休にしておけばよかった⋯」と後悔しないようにしてほしいです。

 私自身はトータルで2年弱の育休を取得していますが、赤ちゃんとママが自宅に帰ってきてから最低3ヶ月、できれば6ヶ月以上の取得をすることをオススメします。やはり、出生直後は育児の負担が大きく、ママの体調面のこともあります。また、この時期は赤ちゃんもどんどん大きくなっていき、「◯◯ができるようになった」など日々成長を実感できます。

 「はいはい」したり「つかまり立ち」する赤ちゃんもすごく可愛いので、1年間取れるなら、1年間取るに越したことは無いよ。

 特に保育園や幼稚園に通っていない上の子がいる場合は、より長期の育休を検討するべきかと思います。

 生まれてきた赤ちゃんと、上の子を1人で自宅で見るのは大変だよ。 

 上の子が保育園に通っている場合でも、生まれてきた赤ちゃんの育休に入ると、保育園を退園しないといけない「育休退園制度」がある自治体もあるので、確認しておこう。

 幼稚園に行っている場合も長期休暇の間はどうするのか考えないとね。

この記事が育休を取得しようと思っている皆さんの「育休をどれくらい取得するのがいいんだろう?」という疑問の参考になれば幸いです。

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